2024年11月9日(土)・23日(土)にて、「YAMAOSM祭（ヤマオズムサイ）」を開催しました。
本イベントは、佐賀の山に育まれた豊かな土壌、風土、そして食などに直接触れる機会を設けることで、改めて山に意識を向けてもらうことを目指しています。そこで今回は、街なかで山を味わい山を学ぶ「まちのば」と、山の素晴らしさを身体で感じてもらう「やまのば」という異なる２つの「場」を開きました。それぞれの「場」では、ご来場いただいた方々はじめ、県内外の生産者やクリエイターが出会い、山に集うきっかけとなりうる様々な企画を実施しました。こちらのページでは、11月23日(土)神埼市にて開催した「YAMAOSM祭 やまのば」の様子をお届けします。

身体を使って、山と対話せよ！

「まちのば」から2週間、すっかり季節も秋らしくなり、山手では朝晩の冷え込みが厳しくなりました。
「やまのば」当日の朝は小雨がパラつき、芝生やテントに露が。空気もキリッと冷えています。
開場時には無事雨も止み、穏やかなスタートとなりました。
『タネマフタ三瀬』さんのブースには、早速子どもたちの姿が。メタルマッチという金属製の棒を使って火花を起こします。焚き火も好評で、絶えず賑わいを見せていました。

会場にトントントンと小気味よく響く音の正体は、 『吉永製作所』による椅子作りワークショップ。
椅子には、佐賀県産の杉を使用しています。可愛らしいデザインながら、安定感も抜群です。飛び込みで参加される方もいらっしゃいました。
「まちのば」で好評だったティピーテントも大活躍。実はこのティピー、高取山公園近辺で採れた竹を使用しています。高取山公園のスタッフの皆さんには、この竹の加工にもご協力いただきました。
また、地元の方がレクチャーする本格的な干し柿づくり体験も開催。柿の皮むきや吊るしといった工程を体験できます。

佐賀市に位置するアウトドアショップ『Base Camp（ベースキャンプ）』さんは、アウトドア用品の販売はもちろんのこと、山遊びを広げる活動も行われています。今回は『LA SPORTIVA（スポルティバ）』さんの登山靴を試着できる特設ブースを設けていただきました。公園内で履き心地を試すこともできます。
登山に馴染みのない方にも是非試してみてほしいという想いのもと、この試着体験が実現しました。プロフェッショナルな山への姿勢に脱帽です。

山で過ごす休日、いかがでしょう？

もちろん、フードも充実しています。
『伊東養鶏場』が営む『picnic（ピクニック）』さんの、これでもか！というほどたまごをふんだんに使ったたまごサンドやプリン。まさにピクニック気分にさせてくれます。
「まちのば」に続いてのご出店、『酒といろいろ』さんのブースでは、熱燗を出汁で割った「出汁割り」を販売。ほどよい塩味と日本酒の絶妙なハーモニー。お腹から温まります。
高取山公園からほど近い場所でお店を営む『本間農園』さんの焼き菓子やお弁当は、平飼いのたまごを使った身体にも心にも優しい味わいです。
福岡市南区の喫茶店『パタゴニアの南』さんのコーヒーは、寒い日にピッタリ。他にもミートソースをたっぷりかけたカンパーニュなど、ホッと一息つきたくなるメニューが目白押しでした。
『MA-CURRY-STAND（マカリースタンド）』さんのブースでは、山の実りを使ったカレーを販売。そして今回特別に、佐賀のブランドポークを振る舞っていただきました。どーんと大きなお肉が登場するや否や、人だかりが…。4時間かけてじっくりと焼き上がったお肉は格別です。
お昼からは、スペシャルライブが開演。
福岡県のユニット『iima（イーマ）』さんが登場すると、ステージに注目が集まり始めます。
iimaさんの音楽は、まさに山にピッタリ。つい聴き惚れ、心が晴れやかになります。
続いて、齋藤キャメルさんのステージでは、どこか懐かしいアコースティックギターの音やキャメルさんの優しい声が響き渡ります。ぼーっと音楽に身を任せていると、会場を囲む木々や流れる雲も、違った景色に見えてきます。
佐賀県を中心に活動するバンド『サウナーズ』は、その名の通りサウナにまつわる曲を披露。音楽のリズムに合わせて、自然と手拍子（竹拍子）が始まりました。
レジャーシートを広げた観客席では、コーヒーを飲みながら音楽を聴いたり、寝転んでみたりと思い思いにライブを楽しんでいただいています。まさに「山を感じる」穏やかな空間が実現しました。
山で過ごす、山の恵みをいただく。山と人の関わり方は一つではありません。
山のアクティビティを広める方、林業に従事されている方などとお話しすると、「山」と「暮らし」が強く結びついていることに驚きます。つい当たり前に感じてしまう景色も、目を向けて近づいてみると、意外な恩恵や生きる知恵、豊かな学びに満ち溢れているのかもしれません。